ドイツでは日本に比べて裸やコンドームがとっても日常の国です。
はっきり言って、面白いwのでちょっとレポートします。若いドイツ人はアメリカやアジアに留学して初めて、ドイツがすっぽんぽん大国である自覚を持つそうです。
裸はすばらしい!すっぽんぽん大好きドイツ人
FKK発祥の地であるドイツ。FKKとは、Freikörperkultur (自由な身体文化) の略。
ドイツ人にとって裸は健康や楽しさ、愉快さ、またはリアルさや人間味を表すものであって、必ずしもエロやいやらしさを意味しません。
☝は日焼けサロンですが、別角度では笑顔の日焼けした男女六人がすっぽんぽんでズラリと並んでいる写真です。股間や女性の乳頭はこれまた器用に腕や脚、お尻なんかで隠しています。
こんな感じの「笑顔の健康的なすっぽんぽん広告」が高緯度低温国家のドイツでは普通に街中にあります。
中には「それ、裸である必要はあるのかい?」と思うものもありますが、ドイツ人にとっては日焼けしたすっぽんぽんは素晴らしいもののようです。
すっぽんぽんはなにも美男美女の特権とは限りません。
おじさん、おばさん、普通の容姿の人だってすっぽんぽんを楽しんでいます。
サウナは基本的に男女混浴で、老若男女問わずみんな包み隠さずすっぽんぽんを楽しみます。
加えて、ドイツ人的にはおひげと胸毛がもじゃもじゃのおじさんの裸は面白いものの象徴のようです。
コメディ系ならおっさんがシルクハットで全裸で股間だけ隠して面白い顔したポスターが道端にズラリと貼られた日もありました。
⇩それより大分お上品なビール会社の広告。「愛情たっぷり醸成しました。」がキャッチコピーでビール腹のおじさんお兄さんが、マタニティフォトよろし自慢のお腹を撫でています。
ビールマタニティ広告。ドイツのビール会社というのがいいhttps://t.co/ExjunUvUAB pic.twitter.com/F5bqfbYdRa
— 土屋アソビ (@wtbw) 2018年4月20日
2018年12月公開のコメディ映画「100 Dinge(100のこと)」のトレーラー↓。
ポスターももちろんすっぽんぽんです。
https://www.cinemaxx.de/film/100-dinge
日本の人気俳優達ははここまで脱ぎませんよね。たまーに脱いでもananでキャーキャー言われるくらい。
ドイツの映画やドラマで裸はエロというより面白さや人間味、誠実さやリアルさの表現に用いられている方が多い気がします。
ハリウッド映画と比べてもごくごく自然に、男女の裸が描かれているものが多いです。

ドイツ人にとってはおっぱいは女性のシンボルで付いてて当たり前。
女性が谷間見せても「性的に搾取されてる!」と叩かれることも無く、お婆ちゃんでも谷間を出すときは出します。
見慣れるとデコルテや谷間を見せるのは「私は胸毛が生えていませんよ」アピールくらいにしか思わなくなります。
オクトーバーフェストで有名な南ドイツのバイエルン地方の民族衣装ドリンドルも、大きなお胸の人はガッツリ谷間を見せます。
女児が着る時は襟の詰まったブラウスを着用します。とっても可愛いです。


コンドームもとっても身近。
小学校のすぐ近くのバス停広告にも「コンドームを使おう!」の広告が。
ドイツ人には「コンドームは子供に聞かせちゃいけない言葉」という意識はあまり無いようです。
右下の赤いキャンペーン名は、「LIEBESLEBEN(愛の生活)」、標語はEs ist deins. Schutz es.(それはあなたのもの。保護しましょう。)。
ウェブサイトでは性感染症予防法としてコンドームの使用を啓発知るほか、性感染症やHIV、性的少数派や避妊具の正しい使い方などをわかりやすく紹介しています。
コンドームでは無いけど、同じキャンペーンの広告。性感染症にかかった際の医師の受診を勧めています。
ドイツの啓発広告はHIVはまじめ系が多いけど、他はとことんギャグに走ってる気がします。
またドイツでは普通に街中に大人のおもちゃ屋さんがあります。
ショーウインドーにはセクシーランジェリーや衣装やおもちゃ(意味深)を飾っています。私の町のおもちゃ屋さん(意味深)は、隣はコピー屋さんで、同じ通りの数メートル先にはバス停もある気軽さです。
若者の集まる場所にはコンドームを販売する自販機があります。
写真は大学の学生食堂の女子トイレに設置された自動販売機です。
生理用ナプキンは無く、タンポン*1、大人のおもちゃが3つ(バイブとエレクションリングとあと一つがわからない)、そしてBilly Boyのコンドームが各2ユーロで売られています。
スーパーのレジ近くに並ぶ商品では、チョコレートやガム、キャンディなどの小さいお菓子や歯ブラシ、タバコとライターとBilly Boyが並んでいます。
Billy Boyはドイツ人に広く知られたブランドですが、やはりドイツの会社だそうです。Mapa – Wikipedia ドイツ以外でこんな露骨なキャラクターで商売できないでしょう。
店やトイレといった閉鎖空間だけでなく、普通の路上などでも売っています。
ここは歓楽街や路地裏では無く、徒歩圏内にMedia MarktやBau Markt、ALDIやreal、マクドナルドといった家族向けのお店がたくさんあるエリアです。
経済的に自立してようがしてなかろうが、 若い男女がそういうことをするのは健全だ(私も/俺も若い頃は〜♡)、というのがドイツ人の考え方。
なので子供がボーイフレンドやガールフレンドを連れてきたら相部屋で泊めるのが普通だし、それを微笑ましく思っている節すらあります。
テレビCMもノリノリで盛り上がる若い男女が描かれます。
⇓はドイツのマクドナルドの2018年12月1日の世界エイズデーに合わせた、エイズ啓発キャンペーンのコラボCM。
Weil „ich liebe es“ auch für das Leben gilt! - YouTube
"ich liebe es"はアメリカや日本のマクドナルドの“I'm loving it”のドイツ語版です。
☝のドイツ・マクドナルドCMの内容を要約すると、
①午後の日差しを浴びながら若いカップルが少女の部屋で服を脱がし合い下着姿で熱くキスをしています。
②そこに、下の階からお母ちゃんが鍵を開けてくる音が。「娘ちゃ~ん、マクドナルド買ってきたわよ~」と上階にいる娘に呼びかけます。
③「お腹なんて全然空いてないから!!」と娘は叫び、ボーイフレンドと一緒に慌てて手掴み次第に服を着ます。
④階段に上がってくる母ちゃん、娘はスカートを履いた!
⑤部屋の前に来た母ちゃん、息を飲む娘とボーイフレンド。
⑥母ちゃんはドアを開けずにドア下から「ICH LIEBE ES (“I'm loving it”)」と書かれたマクドナルドのロゴ入りコンドームを差し入れ、マクドナルドの紙袋をドアの前に置いて、ニンマリ笑って下の階に下りて行くのでした。
⑦ホッとして顔を見合わせて笑う男女はベットに再度倒れこみ、続きを続けるのでした。
ー完ー
ドイツ人はこれを見てニンマリするでしょう。日本のマクドナルドが同じことをしたら炎上しそう。
これを見て「さすがドイツ!成熟した社会!」と手放しで称賛するのは簡単ですが、それだけでは済まない面もあります。
というのも、ホモセクシュアルの人には男女の性愛描写が広告に過剰なのでその分ヘテロ!ヘテロ!と、ヘテロ恋愛至上主義で息苦しさを感じることもあるみたいです。
実際、私の知り合いのゲイの某欧州人(非ドイツ人)は、日本に滞在した時には、ヘテロ恋愛至上主義的なものが緩いので気楽さを感じたみたいです。
「隠す文化(奥ゆかしいと言いたいのだと思う)っていいよね」みたいに言っていました。
確かに日本は同性愛者*2だけでなく異性愛者もコソコソ?することしてるし、テレビや広告でそういう描写は圧倒的に日本の方が少ないと思います。
同性婚を合法化したことや、ベルリンなどの一部のイメージで、ドイツではLGBT理解が進んでいる、と日本では思われがちですが、偏見という意味では決してそんなことはないんじゃないかな、と思います。
LGBTを理由に差別することは表面的には無くても、難癖付けて能力の問題にして排除したドイツ人男性もいましたからね*3。
もちろん抵抗が無い人も若者を中心に大勢いるでしょうが、日本と同様に未だに同性愛を小馬鹿にしたニュアンスで語るドイツ人の若者も普通にいます。
さらに同性愛を認めないムスリムがドイツに大勢加わりましたから、この先ドイツはどうなることやら。
もちろんエロい裸もたくさんある
ドイツでももちろんエロ向けの裸もありますし、FKKは性風俗店を意味することもあります、というかそれが今や主流かもしれません。
~詳細はアダルトコンテンツに相当するので略~
低用量ピルや緊急避妊薬
私はどちらもドイツで使ったことが無いので実際のところは知りませんが、それでも「在独日本人女性が発信している程はピルによる避妊は一般的では無いのでは?」とは思います。
ちなみにドイツでも、ピルの購入・服用には医師による処方箋が必要です。
在独日本人女性は「ドイツ人女性は20歳になったら保険適用なのでみんな飲んでる(そして私も飲んでます)」みたいに書いている人が多いですが、ドイツ人はBIOとかNATURとか大好きな自然派志向の人も多いですし、普通に彼氏がいる女性も毎月タンポン、タンポン、言ってます。
以前にフランス女がドイツ女にピルによる避妊を勧めていたけど、「結婚もしていない男のために私がピルを飲むのは嫌だ」みたいに言っていました。
Gestern gab es leider eine Panne bei der Verhütung, sodass ich die Pille danach brauche. 困ったことに昨日避妊に失敗してしまって、アフターピルが必要なのですが。
— 緩めのドイツ語bot (@tgldeutsch) 2017年9月1日
緊急避妊薬(モーニングアフターモーニングピル)はdmやRossmannなどのドラッグストアでは買えませんが、薬局Apothekでなら医師の処方箋無しで買えるようになりました。
以前は処方箋が必要だったみたいですが、議論の末にそれすら必要無くなりました。
知り合い情報によると、現在は男性が単身で、身分証明書等の提示も無く買えるみたいです。薬局は日曜日は閉まっているのでその方が都合がいいですし、特に未成年者の保護のためには必要な判断だとは思います。
ヨーロッパは医師を受診する予約を取るだけでも数週間は待たされることはザラなので、処方箋無に踏み切ったのだと思います。
一方の日本では、未だ医師による処方箋が必要です。反対派は医師による診断や濫用?を問題視しているようです。
ドイツでも同様に、処方箋無に踏み切る際は、反対派は医師によるアフターケアが必要だと主張していました。また、処方箋を無くしたらアフターピルの消費量が2倍になったという報道もドイツで確かにありました。
しかし、日本での多すぎる人工妊娠中絶の件数を踏まえて、せめて薬局で薬剤師さん(国家資格を持つ医療従事者)に処方してもらう方向がいいかと思います。
人工妊娠中絶(や妊娠・出産)が母体に肉体的・精神的・経済的にどれだけ負担がかかるか想像できない人はせめてマンガ「コウノドリ」を読んでみてほしいです。
日本は日本の最適解を
フランス在住者でもない私が言う義理は無いのですが、日本では「フランス人女性こそが女性として最も輝いている生き方」みたいな謎の宗教が布教されています。
しかし、もてはやされているのはあくまでも一面で、いつまでも女らしく美しく自分至上主義、恋愛至上主義、嫡子も離婚も未入籍も上等な生き方は必ずしもいい面ばかりではありません。
また、フランス人やドイツ人に最適化された制度が、日本人に必ずしも同様にぴったりなわけではないと思うので、緊急避妊薬や性教育、LGBTそれ以外に関しても丸パクリではなく「日本なりの最適解を見つける」方向で、議論がいい方向に向かうことを望みます。