
2019年1月19日センター試験国語の第三問の古文は美しい姫に一目惚れした狐が女に化けて姫に仕える話の「玉水物語」から出題されました。
玉水物語の出題にネット民大歓喜→世界のトレンド入り
センター国語
— ℂu (@math_ter0713) January 19, 2019
評論 I love you.
小説 妻を忘れる
古典 けものフレンズ
漢文 息子を見殺しにする叔母
けものフレンズのような擬人化、美少女同士という百合要素に加え、男でなく女に化けたという性別超え。
ネット民は大歓喜の祭り状態です。
センター古文に出たという玉水物語はこんな感じ
— ぴ く る す (っ´ω`c) (@PIKU_MUKU_) January 19, 2019
狐♂がお姫様に一目惚れ
↓
けどワイは狐や、どうしたもんか…
↓
せや!女に化けて姫様に近づいたろ!あの家男ばっかりやから女に化けりゃ速攻で近付けるやろ!
↓
結果︰百合だ!擬人化だ!皆集まれ!出題者を捕まえろ!ビックサイトへ連れていけ!
え、もしかしてセンター試験で玉水物語が出たの? あの狐が美少女になって姫様の側仕えになるという古文でも屈指の百合物語がセンター試験で?
— 弧狐 (@kokidune) January 19, 2019
平成最後のセンター国語、「性転換美少女狐とお姫様の百合」とかいう超ド級の性癖投下して終わったの笑うでしょ。いたいけな高校生の性癖を歪めて何がしたいんだ出題者、いいぞもっとやれ pic.twitter.com/SlB9xhwtga
— エクレア (@Anna_botbot) January 19, 2019
Twitterでは「玉水物語」が世界のトレンド入りしていました。Twitter民、喜びすぎ(笑)。
#センター試験 1日目、古文に「玉水物語」が登場し、話題になりました。姫に一目ぼれしたキツネの話です。問題はこちら→https://t.co/9wAOZqoC9j
— 毎日新聞 (@mainichi) January 19, 2019
センター国語古典 狐の百合話がこちらです pic.twitter.com/cHKCMtbUyn
— マキセン (@makisen48) January 19, 2019
原典の「玉水物語」は「御伽草子」から
玉水物語は御伽草子に収録されています。
『御伽草子』(おとぎぞうし)は、鎌倉時代末から江戸時代にかけて成立した、それまでにない新規な主題を取り上げた短編の絵入り物語、およびそれらの形式。
玉水物語は室町時代物語大成にも収録されているので、成立はそれ以前だと思います。
あぁ、狐が娘に化けて恋する玉水物語か!
— きとり@紫電会員 (@Y2tor) January 19, 2019
これは名作なので、是非とも見てほしい。https://t.co/yEbtAUjjtf pic.twitter.com/ElGIX8BqSD
わかりやすいあらすじを美しい挿絵付きで日本語と英語で京都大学のサイトで読むことができます。さすが古都の大学!
https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/item/rb00013653/explanation/otogi_01
切ないのに美しいお話です。
歌舞伎でも義経千本桜など、キツネが出てくる話は本当に泣かせてくれます。゚(゚´Д`゚)゚。
今年のセンター古文、お姫様にお近づきになりたい狐さんが
— しらいはかせ (@o_ob) January 19, 2019
ケモミミの美男子に化けるところ女子に化けお姫様に仕えて百合展開に苦しむ
日本人は昔からこういうファンタジー大好き
ちなみにもとの狐さんの性別は不問
玉水物語 現代語訳(京都大学貴重資料デジタルアーカイブ)https://t.co/56VyHVsTNd
古典教育不要論やLGBTや多様性教育への国文学界隈からの答え?
玉水物語はれっきとした古典ながら、LGBTのうちLと(か)Tの要素があります。
今年のセンター古文で玉水物語初めて読んだけど、これもともとオスの狐が、「男に化けて姫と結ばれたら、狐ってバレたとき姫がヤバいことになるな。でも傍で姿見てたい……せや、女に化けたらええんや!」つって女になってるから、ジャンル的には百合ではなくTSでは……?と思った
— いつき (@ituki_d) January 19, 2019
欧米でつい最近まで行われていた根強いLGBT差別の歴史への反省が込められた洋物レインボー、カタカナLGBT教育を、何らそれらの歴史を共有しない日本が無理に輸入するよりも、とりかえばや物語などの古典を題材に自然な形で性別や性愛の多様性やそれらに対する寛容さと歴史を学ぶというのも大アリだと思いました。
今年のセンター古文、「玉水物語」やったんですね。ええチョイス! 人×人外、百合、性別越えの3コンボ。昨今の古文不要説に、出題者が本気を出したとしか思えない。そう、古文はオモロイ!
— 坂井希久子 (@kiku_sakai) January 19, 2019
そしてネット民のアニメ化や漫画化を 望む声の多さやお祭り騒ぎを見るに、純粋に作品として楽しんでいる人の多いこと、多いこと。
最近は古文、漢文、三角関数は不要論が一部の人の間では声高に叫ばれています*1。
このご時世*2で、平成最後のセンター試験というこのタイミングで玉水物語をセンター試験に出題した日本の国文学界隈には拍手👏&脱帽です。
古文の新たな可能性を示せたのではないでしょうか。
玉水物語ずっとイチャイチャしてぇ… pic.twitter.com/5sOXEtJ5Xn
— ペムスカ・スコ・ティッ・シュ (@evelyn_pemu) January 19, 2019
センター試験古文の玉水物語のストーリーをたくさんの現代人が「人外百合はエモい」「こんないい話があったのか」「漫画化はよ」などと絶賛しているのを見て、何世紀もの年月を経て言葉が変わっても日本人の根本的な感性は変わらないんだなって思った。
— きたかぜ (@jk_kitakaze) January 19, 2019
おまけ😽キツネが出てくる話
チロヌップのキツネ
チロヌップのキツネ家族と戦中の漁師のお話です。
白黒の中にある赤い色彩が涙涙。
1972年に児童文学者に高橋宏幸によって発表されました。
ゴンぎつね
「ゴン、お前だったのか! いつも栗をくれたのは。」
1932年発表の新美南吉による児童文学作品。
カルロスごんがネコノミクス宣言に・・登場が待ち遠しい(笑) pic.twitter.com/UWUwW7E481
— 猫組長 (@nekokumicho) January 14, 2019
猫組長(nekokumicho)氏によるカルロス・ゴーン氏の特別背任・金商法解説 - Togetter
義経千本桜
歌舞伎の演目と思いきや、もとは人形浄瑠璃が原作の作品だそうです。
私は同じ演目を尾上菊五郎と市川海老蔵で二度を見ました。
菊五郎のおっつぁんの演じる狐は涙涙、でした。
海老蔵も悪くは無いし、キツネになって提を抱く表情は顔立ちの美しさもあって綺麗だったがやはり菊五郎にはまだ及ばない。
名作中の名作なので、歌舞伎や浄瑠璃を見たことがない人も是非NHKなんかで放送してたらご覧ください。もしくは歌舞伎座や演舞場へ。
手袋を買いに
こちらも新美南吉さんの作品です。
新美南吉 手袋を買いに(青空文庫)
すっぱいぶどう(イソップ童話)
ヨーロッパでもキツネは可愛い扱いだし人気者だと思うのですが、すっぱいぶどうのキツネは日本っぽいキツネへの愛情はありませんね。尤も、紀元前後からラテン語や古代ギリシャ語での訳文が存在するたいそう古いお話のようですが。
きつね美女とぶこつ猟師
最近ですと「きつね美女とぶこつ漁師」という漫画も日本のみならず中国語圏でプチヒットしました。
無骨な猟師に美女が一方的に惚れ込むという、フェミニストがぶち切れそうな内容も狐さんということにしておくとオールオッケー!
狐さん可愛いもんね。
日本人は確かにキツネ好きなのかもしれません。稲荷神社には狐さんがいますし。
平成最後のセンター試験で一世を風靡した玉水物語のファンアートです pic.twitter.com/R2X58Hyz9O
— かっく❄️きつぶこ書籍発売中 (@cak221) January 20, 2019